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デュレーションってなんだろう

第8回 デュレーションによる債券ポートフォリオ戦略構築 (その2)

 3. 債券投資戦略とデュレーション

以上の説明から、債券ポートフォリオの時価変化率は
  Σ -各セクターの利回り変化 × 各セクターのエクスポージャー
として計算できることになります。

よって、基本的に
・利回りが低下すると考えられるセクターは、エクスポージャーを大きく
・利回りが上昇すると考えられるセクターは、エクスポージャーを小さく
するのが有利なポートフォリオ運営となります。

ただし、あまり極端なエクスポージャーの値の取り方をするとリスクも大きくなりますから、リスクを横目で見ながら調整していくことになるわけです。


一つ具体例を挙げてみましょう。

実際は、もっと細かくセクター分類をする必要があると思いますが、ここでは簡単のため、期間別に短期・中期・長期の3つにセクター分けをするとします。ベンチマークのセクター毎の投資ウェイト、デュレーション、エクスポージャーが以下のようであるとします。

図2: ベンチマーク・ポートフォリオ

figure

「全体」のデュレーションとエクスポージャーの「合計」が一致しています。これはそれぞれの定義から当然ですね。

さて、このベンチマークに対して、自分のポートフォリオが以下のような内容であったとします。

図3: 自分のポートフォリオ

figure

さて、このポートフォリオはどのような見通しに立って構築されているものと考えられるでしょう?

まず、合計のエクスポージャー、すなわち全体のデュレーションを見ますと 5.59 で、これはベンチマークの数字と同じです。ということは、基本的に、すべての債券の利回り変化が同じであれば、このポートフォリオとベンチマーク・ポートフォリオの価格変化は大体同じになるはずです。

これは基本的に、債券市場全体としての金利の動きに関しては、リスク(ベンチマークとパフォーマンスがずれるというリスク)をとろうとしていないポートフォリオ、ということになります。

では、このポートフォリオはいわゆるインデックス・ファンドのようなベンチマークに追随することだけを目指したものと考えられるでしょうか?

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