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第2話 GCMのトレーダーたち

シグマヘッジファンドの源流

知的なトレードを得意とするGCMのトレーダーたち

GCMのトレーダーたちは米国の金融業界でも、知的なトレードを得意とすることで有名でした。3人組の一人であるチップ は、モーゲージ債と呼ばれる債券のトレーディングが専門で、GCMの稼ぎ頭でした。後年、彼はこの街でヘッジファンダ―として独立し、今では全米大富豪の一人としてグリニッチの名士となっています。

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モーゲージ債とは

モーゲージ債とは、住宅ローンを基とする証券化商品です。全米の住宅ローンが、最終的にはこのモーゲージ債に姿を変えている訳ですから、この市場規模が巨額に上ることは容易に想像できると思います。その最大の特徴は、米国の住宅ローンが変動金利建てかつ繰り上げ返済可能なことから生じます。将来、金利が下がると繰り上げ返済が進みます。モーゲージ債は、このキャッシュフローと連動する仕組みとなっているため、この債券も繰り上げ償還となる点です。このため、パス・スルー債券とも呼ばれています。

このことから、モーゲージ債の価格変動は、普通の債券とは異なる独特の動きをすることになります。これをいかに予測するかがポイントとなるトレーディングです。この点につき、チップは金利オプション理論を改良し、彼独自の予測理論とトレーディング手法を開発し、身に付けていました。

一芸は必死の努力から

GCMのトレーダーたちは、チップ同様それぞれが、株、債券、FX、商品、デリバティブ等の得意分野で、一芸を持っていました。次第に分かってきたのは、彼らの一芸はそれぞれが、文字通り「必死の努力」から編み出したものだということでした。

ジュリアンというポーランド出身のトレーダーは、両親と幼い兄弟がナチスによるホロコーストの犠牲となり、本人は見知らぬ大人に連れられ命からがら米国に亡命、苦学の末、コロンビア大学数学科教授にまでなった後、その能力をトレーディングに活かそうとGCMに移籍した人物でした。彼に、「あなたのトレーディングノウハウは?」と聞いた時、彼は「ノウハウは自分だけのもの」と言って、最後まで明かすことはありませんでした。わかる気がします。

アン・マイクルズに「儚い光」と言う珠玉の大作があります。25ヵ国で翻訳されている世界的ベストセラーです。 ナチスの殺戮で両親を亡くし、恐怖の中ただ一人逃れた七歳の少年が主人公です。ギリシャ人地質学者に救われ学問を授けられ、心の傷を癒しながら成長する物語です。主人公とジュリアンが重なりながら、読みました。

(つづく)

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