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デュレーションってなんだろう

第1回 デュレーションとは (その1)

 1. はじめに

今回は、債券投資の基本に立ち返り、「デュレーション」について考えてみましょう。

「デュレーション」という言葉は、金融ビジネスに関わる人であれば、どなたでも一度くらいは耳にされたことがあるのではないでしょうか。そのぐらい金融の世界ではよく利用される概念です。

しかし、よく利用されている割には「何となく、債券の償還までの期間と関係があるらしい」というような感じでしか理解されていない方も多いようです。それほど難しい概念ではありませんので、今回は「そもそもデュレーションって何?」という根本的なところから考えてみましょう。

最終的には債券運用におけるデュレーションの具体的な利用法なども見ていきます。


 2. デュレーションについての一般的な説明

デュレーションが少しわかりにくいのは、世の中で見かけるデュレーションの説明が統一されていないからだと思います。

いろいろな資料で見かけるデュレーションの説明は、以下の2つの観点から説明されていることが多いようです。

デュレーションとは・・

(1) 債券投資の「平均回収期間」を示す
(2) 一定の利回り変化に対する「債券の価格変動の大きさ」を示す

という2つの観点です。

(1) の債券投資の平均回収期間を示すという説明ですが、この説明文自体少し分かりにくいかもしれません。 債券投資の平均回収期間とは、例えば利付債に投資すると、一定期間毎にクーポン受取が発生し、最後に償還元本の受取が発生しますが、この個々のキャッシュフローの受取時点の平均はどこか、ということを意味する表現です。

具体例を挙げますと、例えば今、以下のような利付債があるとします。

残存期間: 3.0年
クーポン: 1.5%(1年払い)
価 格 : 99.50円

この債券のキャッシュフローを図示すると以下の通りです。
figure

図1: 利付債の例

この利付債に投資すると、1年後に 1.5 円、2年後に 1.5 円、3年後に 101.5 円のお金が回収されます。つまり投資金額(99.5円)の回収時点は1年後、2年後、3年後の3時点あるわけですが、その回収時点の平均はどこか? ということが「債券投資の平均回収期間」という言葉の表す内容です。

どうしてそんなものを問題にするのか? と思われる方もいらっしゃるでしょう。

それは以下述べるように、「利付債=割引債の集合」という観点から捉えると、債券投資の平均回収期間とは、利付債の「実質的な」残存期間を表すものでもあるからです。そして利付債の実質的な残存期間は、先ほどのデュレーションの説明の (2) 、つまり一定の利回り変化があった場合の債券の価格変動の大きさと密接にリンクしています。

ですから債券投資の平均回収期間という概念は債券投資上非常に重要な意味を持つのですが、少し話しを急ぎ過ぎたようです。 「利付債=割引債の集合」という考え方について少し補足説明をしておきましょう。

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